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日本のこれから - 「食」

日本のこれから 日本のこれからテーマは「食」(NHK総合テレビ)
10月20日(土)  19:30~22:30

に出演させて頂きました。

まずは放送終了後、たくさんの方から
ご意見・ご感想、励まし(?)のメールやお電話を頂きました。本当にありがとうございます。
この場を借りて御礼申し上げます。

放送時間や人数の関係もあり、
すべてお伝え出来なかったので
考えていたことをここでまとめておきます。 



まず、前提。番組内でも申し上げた通り、
私は「日本の農家・農業を残したい」

これが、大前提。 

日本のこれから、区切り
「大規模化」と「独自化」

結論から述べておきます。
現在の政府主導の農業政策は「大型農家の保護」がテーマ。
しかし私は、
「大型化をすれば日本農業が生き残れるか?」と考えたとき、
あまりに海外が大型すぎて、対抗するのは難しいと思うのです。
番組内でオーストラリアとの農地面積の平均値の比較が
「1:1881」と表現されていた通り、大きな平均値の開きがあるのです。
山間部が多い日本では、海外ほど大規模な集積は期待できません。

よって、目指すべきは2通りの道。
「大型化」を進め効率化を図る道と、
「独自化」を進める革新化を図る道

零細農業が多い日本で、全員がまとめて農業しなさい!
・・・って言ったところで、出来るわけがありません。
だから、ニッチ産業で独自に生き残る「農業ベンチャー企業」を誘発する。
こうした二通りの政策を打つべきだと考えます。

日本のこれから、区切り
輸入自由化の波は止められない

日本のこれから、さらなる発展を考えたときに、
輸入自由化の波はおいそれと止められるものではありません。
経済連携協定(Economic Partnership Agreement/EPA)
自由貿易協定(Free Trade Agreement/FTA)に代表される、
各国間の貿易自由化の流れに乗り遅れれば、
日本全体の経済発展が阻害されてしまう。

国産は食べられても、世界の中で競争力を失った国を、
本当に国民が望むのだろうか・・・?
ここまで豊かさに慣れてしまった日本人には、
耐えられないだろうと思います。

よって、自由化の波は止められない
それは、5年~10年後には確実に来る流れだと仮定します。
日本の農業を残すことは、この将来的な自由化の流れを前提に、
検討すべき課題
だと、私は考えます。

日本のこれから、区切り
篭城は援軍を期待した戦(いくさ)

日本の農業を海外の輸入から守りたい。
では、守りの姿勢を続ける為に、
「関税を現在の700%のまま残す」という選択肢はどういうことか。

戦国時代の「篭城」の考え方です。
古来、篭城とは援軍を期待して「待てば勝てる」戦いでやるもの。
今の日本の農業は、待てば勝てるのでしょうか・・・?
私は、待てば待つほど不利な展開になると思います。

よって、ただ「守ろう」と情緒的に言っても、
何の解決策にもならないのです。
「守り方」を考えて、どう戦略を立てるのかを議論する必要があります。

日本のこれから、区切り
農業助成金は農家さんへ「直接」渡すべし

一方、世界の先進国のほとんどは自国の農業を守っています。
番組内の比較でも出た食料自給率が一様に高いのは、
各国が補助金等を使い農業を直接守っている結果です。
これは、万が一の場合(戦争やオイルショック等)を想定した、
当たり前の国防対策だと思います。

しかも日本と違うのは、
大型化の為の「穂場整備」や「農道整備」に助成金を出すのではなく、
農家への直接的補助に使っている点です。
日本の場合、農業ではなく、工業に補助金が行っていると言えます。
これは、未だに票集めの為の政策・・・と私には見えます。
(土建業の皆様を非難するものではありませんが、
政治家達の狙いが、明らかにそこに残存する票であることは明白です)

同じ金額を、そのまま農家への収入保証に当てたらどうなるか。
現在よりもずっと少ない補助金額で済むし、
これ以上、美しい日本の田園風景を壊さなくて済む
農家さん達は農道が整備されなくたって、穂場整備されなくたって、
収入が安定すれば、今のままの農地で安心して農作物を作り続けられるのです。

日本のこれから、区切り
国産農作物の競争力向上

段階的な農作物の輸入自由化が実現することを前提として、
日本の農業を残す為には、
「外国産の安い商材」に負けないだけの、
「競争力がある国産農作物」を作る必要があります。

情緒的には日本の農業を守りたい・・・と消費者が言っても、
実際、スーパーで10Kg 5,000円の国産米と、
10Kg 1500円の外国産米があれば、迷うのが消費者心理です。

その際には、ただ「国産」だけではマーケットを守れない。
だからこそ、「国産農作物の競争力向上」がテーマなのです。

日本のこれから、区切り
農業にも競争原理を! 

では、どうやったら国産農作物の競争力が向上できるのか。
それは、商業界にヒントがあると思っています。

ITベンチャー企業が全国で林立している今。
日本で生まれたITのサービスが、世界へ影響力を及ぼすことも出てきました。
これは、「IT業界という競争社会で、試行錯誤した人」が居たおかげです。
新しいアイデアや、画期的なシステムの多くは、混沌とした競争原理の中で生まれるもの。

残念ながら農業界には、この競争原理が働きにくいのです。

理由は簡単。
農業を「守る」ことを最優先にした政府の政策が、
減反等を基本とした、おコメの「価格維持政策」です。
市川ライスビジネスの市川稔社長もおっしゃっておられた通り、
結果論から見ても、日本のコメ業界の価格維持政策は失策でした。

価格維持を求めるあまり、農家達の間には、
「付加価値を高める」ことや「消費者が望む商品を作る」ことを
忘れてしまった人達も存在します。

作れば売れる。農協が買い取ってくれる。
だから、自分達は作るだけやっていれば良い。
守られた農家さん達にしてみれば、当然の発想。

異業種からの農業生産法人の参入をもっと自由化することで、
誰でも彼でも同じ土俵に上ってくる危機感が必要なのです。
これは商業界では、当たり前の話。

農業にも競争原理が働くことで、
それぞれの農家が、付加価値を一生懸命考える。
商業界で、会社がそれぞれの付加価値は何か、
一生懸命考えているのとまったく同じことです。

ただし、注意しなければいけない点は、
商業界と違って、大きく利益を生むことは難しい。
(・・・やり方しだいでは、出来ないことは無いはずですが・・・)
だから、最低限の収入を国が補償する制度を作る。
冒頭で述べた、「農家へ直接渡す」助成金のことです。

日本のこれから、区切り
オンリーワンを目指す農業

残念ながら、日本は国政赤字をかかえる赤字大国でもあります。
誰でも彼でも、農家さんならば収入を保証してもらえるのであれば、
商業をあきらめて就農する人だって増えてくる。

結果的に、単に赤字を増やすだけの政策になれば、お粗末。

だから、農家の収入保障についても一定のラインを設ける必要がある。
現在はそのラインが「大規模農家」となっているけれど、
私の考えは、ちょっと違う。
冒頭で申し上げた通り、
大規模にできるエリアと、そうでないエリアが存在します。 

お米屋さんとして全国を見て回っていると一目瞭然。
簡単に言えば、平野部と山間部の違い。
しかも、実は美味しいおコメは山間部にこそ多い。

大規模化は平野部の豪農が行えばいいけれど。
山間部の兼業農家さん達は、大規模化なんて出来るはずがない。
山間部でも出来ることは、商売でも同じだけれども、
「オンリーワン」を作ること。
つまり、独自性を高める商品開発や、経営をすることだ。

中小企業が行うように、ニッチ産業を狙って商品開発する
有機米や、独自ブランド米等、すでにいろんな切り口がある。
当然、うまくいかなければ倒産の危機だってある。
それは、どの業界で商売やってる人でも同じこと。
農業だけが守られすぎているのは、良くない・・・と月並みですが思うのです。
商業、特にお米屋さんみたいな小売店は誰も守ってくれないのです。

日本のこれから、区切り
まとめ

話が広くなりすぎたので、話をまとめておきます。

輸入自由化の波は止められない。

段階的な輸入自由化は時間の問題。

輸入が自由化されても、生き残れる農業を作る必要がある。
(段階的自由化の間に、道を模索する必要がある。)

農業界の競争原理を強める為、
新しい農業ベンチャーの誘発が必要。
異業種の農業生産法人参入等が認められるべき。

新規アグリビジネス等を精査して補助金をつけるような、
補助金制度&政策の整備も必要。

農業全体の競争原理が強化され、新しい発想が生まれる。

段階的な自由化の中でもその競争原理は更に強まり、
世界に通用するアグリビジネスが生まれる。
切り口は、「大規模化」と「独自化」のふたつ。

農作物輸入自由化が実現しても、
「日本の農業」が生き残ることができる。

[保護策]
・やる気があるのに、所得が確保できない農家には、直接収入保障を!
※「ただ作っているだけ」農家全部までは保護すべきではない。
・万が一、事業(農業・商業共に)失敗した人を救う為の、援護策を整備すべし。
※失敗したら水泡に帰す現代の社会制度では、チャレンジできない人が多すぎる!

[やめるべき策]
・ばら撒き型の農業全員助成金制度。
・大規模化のみを対象にした助成制度。

日本のこれから、区切り

みなさんは今回の討論、どのようにご覧になりましたでしょうか。

実は農業系の番組では、驚くほど高い視聴率だったそうです。
今回の議論、深いところまで踏み込んだ議論はしきれませんでしたが、
普段の「食」を見直すきっかけになれば、幸いです。
ご意見、ご感想などありましたら、
お気兼ねなく残していただければ嬉しいです。

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コメント (10)

森嶋さん

番組出演お疲れ様でした。
わたしは無いアタマ使ったので翌日ぐったりしてましたよ。

トラックバック有難う。
力のこもった主張を書いていますね。読んでいて嬉しくなりました。
規模の拡大というのは農業で生計立てる人のことを指しています。言われるように平地の恵まれたところが中心でしょう。

中山間地は規模拡大は難しいので「芸術品」を作ることですね。
弊社の取引先生産者はそういうところが多いです。

近くに来たら寄ってください。

>市川社長
コメントありがとうございます!!
市川さんにそう言って頂けると、
おいらも一生懸命考えた甲斐があるってものです。

市川ライスビジネスの取引先さんの芸術品、興味ありますね~~~♪
是非、お近くに行った時は寄らせて頂きます。
今後とも、ご指導頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

P.S.
ちなみにおいらも翌日はぐったり…してました(笑)

ワンパ:

お疲れ様です。
最近、自宅の庭で家庭菜園をしてます。

昨今の食の安全や偽装などの観点から
有機農法へのシフトも鍵になってくるのではないかと思います。
日本の農産物=世界最高の安全な食品

目指したらどうでしょうか。

>ワンパさん
それもまた、ひとつの「独自性」の追求ですね!
おいらも昔、「有機米ドットコム」構想を立てたことがあり、
全国の有機米のみを集めたビジネスを考えていたことがあります。
結局、いくつかの壁を越えられずその時は断念しましたが、
年々、この「安全」というキーワードが
大切になってきている気がします。
日本の農産物がもっとも安全だ!…と、
胸を張って言える時代…、いいですね!

hirofuji:

森嶋さん、はじめまして!

トラックバックさせて頂きました。
番組出演ご苦労様でした。
不不完全燃焼で欲求不満ではありましたが、
色々な御意見を、その後のブログなどで拝見しております。

再びhirofujiです。
T/B 出来ませんでした。(T_T)何でか解りません??

http://blog.livedoor.jp/hiro8042002/?blog_id=1563853

に書いとります。 m(__)m

>hirofujiさん
TB、およびコメントありがとうございました。
なぜか、迷惑コメント&TBツールに引っかかってました。
今公開設定かけましたので、大丈夫だと思います。
ご迷惑をおかけしてすいませんでした。

…ご指摘の通り、番組内でも、
もうちょっと落ち着いて(笑)、
深く議論したかったです…(^^;

「いずよろず便」!いいですね。
人は、人に喜ばれる時に一番生きがいを感じますよね。
歳をとってから、巨大なS・センタ-やス-パ-の駐車場に
車で行く事は、誰でも出来る事ではありませんし、見知らぬ人が玄関に来ても、「安心」や「気安さ」を運んできてはくれません。今からのビジネスだと思います。頑張ってください。

>hirofujiさん
コメントありがとうございます♪
喜ばれることを増やすこと。
それが、一番大切な商売の基本なんですよね。
まだまだ難しい壁も多いビジネスモデルですが、
なんとか田舎でこそ、成功させたいなぁ…と、
決意を固めております(^^;
今後も、どうぞご指導ください。
どうぞよろしくお願いいたします。

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